マガジンのおまけ「あいうえお小説」


Magazineの末尾に、毎回実は付いている、続き物の小説です。


れは或る昼下がりのことであった。


まさっき食べた定食の名前が思い出せず、僕は所在なく通りを行きつ戻りつした。


どんだったか、そばだったか、それすらも自信がない。物覚えの悪い方でもないー寧ろ良い方だ。その証拠にこうしてあの日のことを思い出しているし、緊張する方でもないのだが、いつもの僕とは明らかに違っていた。


)延々と思考を巡らせているうちに、唐突に目の前に人の気配を感じて僕はのけぞった。


)「オシン・・・?」昼ご飯も思い出せない僕だったが、その人の顔を見ると不思議とその3文字の言葉が浮かんだ。


の人のまとう空気感に、僕は忽ち懐かしさを覚えた。


っかけは彼女の祖父が営む古道具屋、世界中を旅して集めた素敵なガラクタ達が所狭しと並ぶその場所で、僕とオシンは出会った。


)組み立てられることもなく長い間放置されていた僕は、オシンの好奇心のおかげでこうして作動して、世の為人の為に働けるまでになったのだ。


)「今朝からいったいどこほっつき歩いてたの!!この忙しい時に!!」振り向きざまにオシンが叫んだ。

(つづく/次回更新 5月号)