2023年10月20〜21日、オシンテックが参画する「ブルーオーシャンイニシアチブ」※1と長崎県対馬市で行った「対馬未来会議2023」※2に、代表小田真人を含む2名が出席いたしました。
磯焼けや海洋プラスチックごみ問題を抱える長崎県対馬市は、その課題先進を梃にして「2050年までに、対馬を世界最先端のサステナブル・アイランドにする」ことを目標に掲げており、学識経験者を含む、多様な参加者によって、「海洋プラスチック問題」「海洋資源保護と海業活性化」「気候変動緩和・適応」という3つのテーマを議論しました。
オシンテック側からは、気候変動、生物多様性、海洋プラスチック汚染といった、RuleWatcherで取り扱うデータソースをもとに、最近の国際動向について参加者の皆さんにお伝えし、質の高い意見交換がなされました。
対馬は対馬海流の恵みによる極めて豊かな漁場であり、「対馬で魚が獲れないなら、日本海に魚が居ないのと同じ」といわれるほど。そんな対馬で大問題になっていることの一つが「磯焼け」です。これは、浅海の岩礁等で藻場が著しく衰退または消失しまう現象。かつては海藻が絡まって船のスクリューが止まるほどだったという豊かな対馬の藻場は、温暖化などの影響で急速に磯焼けが進んでいます。
その直接的原因の一つがイスズミ(右写真)のような食害魚の定着です。本来は暖かい海にのみ生息するイスズミは、温暖化の影響で、対馬周辺の海水温が下がらず対馬の藻場に居続けるため、海藻を食べつくす現象が起きています。
対馬ではイスズミのすり身をつかった食品の開発など、その対策が始まっていますが、離島から大規模消費地への流通は単純ではなく、他県を巻き込む仕組みが必要です。
また、海流の影響で、大量の海ごみが流れ着く対馬の岩礁は、重機の入らない清掃が難しい場所。漁網ごみに流木などが絡まり、そこに大量の容器などのプラスチックが詰まって、岩の間では紫外線の影響で崩壊してミリ単位になってしまったマイクロプラスチックが、あたかもスポンジのように踏み込むと沈むプラスチックの地面を形成しています。
このような問題に、海洋国日本のなかで、最も早くから直面している地の一つである対馬は、そのソリューションにおいても先進できる。
そんな発想から始まった「対馬未来会議」では、異なる立場・専門性ある60名ほどの参加者で、アイデアを出し合い、そこでの構想を実現するために今後も活動が進んでいきます。
※1ブルーオーシャンイニシアチブについて:「海」に関わるステークホルダーの多面的交流と事業共創で海の課題解決を行う企業連合のプラットフォーム。団体ウェブサイト
※2対馬未来会議2030について:NikkeiBizGate掲載記事 IDEAS FOR GOOD掲載記事1/2 IDEAS FOR GOOD掲載記事2/2
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