ルールってなんだ?: EUデザインのルールの作り方

色々なルールで世界をリードしようとしているかに見えるEU。

EUは、フランスやドイツなど、色々な国の参加する超国家組織です。


今日は、EUがEUのルールをどうやって作っているか、改めて紹介しましょう。


EUは、各加盟国からの選抜官僚による『欧州委員会』という役所、

直接選挙でえらばれる『欧州議会』という国会的なものに加え、

加盟国の政府から代表1名が出席する『閣僚理事会』というものがあります。

※なお、閣僚理事会は、トピックによって参加者を変えることができます。



なので、実際は事実上二院制の立法と言えます。



1.役所(欧州委員会)が法案を提出

2.欧州議会で修正を協議し、閣僚理事会に提出


※ 以下、修正がなければ、その時点で成立

3.閣僚理事会が修正を協議し、「共通の立場」を表明、欧州議会に戻す

4.欧州議会は、修正を行って、閣僚理事会に再提出

5.閣僚理事会が、さらに修正を必要とする場合、欧州議会との調停へ


(ちなみに、議員立法は存在しません。)


欧州議会には、EU全域を考える/閣僚理事会には、各国政府を代弁する、という明確な役割があるということです。


国を集めて連邦制のような形になると、閣僚理事会のような「各国政府の立場」を考慮し、意見する、もう一つの代表機関が必要になってくるのでしょう。



このように、EUは、事実上の二院制になっています。


日本も二院制です。しかし、日本における、衆議院の「優越」というような仕組みは、欧州議会と閣僚理事会の関係中には存在せず、対等を旨とするようです。



「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが。」有名な、英国首相、チャーチルの言葉です。


人間が、集団で、一つのことを決めるための試行錯誤。これらの組織の形は、国がそれぞれに、少しでも良い社会を、と、権力や人間のエゴと格闘してきた結果、とも言えるのではないでしょうか。


歴史も、意思決定の仕組みが変わってきたという切り口で見直すと、なかなか面白いものがあります。そして、我々の世代は、インターネットやAIという武器を持ちます。これから、どのように集団のルール作りのデザインを進化させていけるのでしょうか。


ともあれ、海外を知ることは、自分を知ることとなり、面白いですね!


参考:

日本貿易振興機構(ジェトロ)2017年3月「EU のルール形成に関する調査報告書」

https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2017/cd421881928e3e57/report1703-4.pdf

藤井俊彦、『競争戦略としてのグローバルルール 世界市場で勝つ企業の秘訣』東洋経済、2012年



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