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ルールってなんだ?:中国のルールの作り方

最終更新: 2019年10月29日



ルールのつくり方は、国ごとに様々です。


今回は中国。私たちになじみのある「三権分立制」とはだいぶ事情が異なります。


中国の国家最高機関は、全国人民代表大会(全人代)。ここで、法律が作られます。ただ、とにかく組織が大きいので基本法しか決めません。下位の法律は常務委員会、さらに下位の法規は国務院や部・局といった行政を担う機関が作ります(ここでは司法機関の話は割愛します)。



全人代の議席数はなんと2987議席もあります。代表は5年の任期で、直轄市や地域、省の人民代表大会によって選出されます。開催は年に一度、4月にしか開かれませんので、そこで審議される法案は実質的に限定されます。実質、基本法以外は全人代の「常務委員会」が審議を担当することになります。


ここで審議される法案ですが実際は、部局→国務院→全人代(常務委員会)という流れで上申されます。


担当は、

● 部局(商務部・工信部 等 日本:経産省に該当)が部門規制を決議・施行。

● 国務院(日本:内閣に該当)が行政法規を決議・施行。

● 全人代および常務委員会(日本:国会に該当)が、法律を決議・施行します。


このように中国の立法府的なものは、部局→国務院→全人代の3層構造だと言えます。


分析ポイントは、法案成立過程がオープンにされるか否かです。


近年、規制が産業界に草案の時点で開示されることも増えてきましたが、いっぺんに世界に開示するのではなく、まず国内企業に開示し、しばらく時間がたって外国企業へ、という事もあります。また、国内外問わず、一切開示がないまま、いきなり規制が施行される、という事もあります。このようにケースバイケースで、情報開示については、コミットはありません。


ただ、トレンドとしては、国務院や全人代のウェブで草案の時点で公開されることも増えてきています。そして、パブリックコメントの募集なども行われています。WTOに加盟したため、不透明な取引を行っていると非難されたくないという事もあるでしょう。ですが、そのパブリックコメントが形式だけだ、という批判も常に付きまとっています。


大国となり、多国間協定を主導していく立場となった中国には、透明性のある運営を期待したいところです。


また、社会通念として一般的によく言われることとしては、日本の法律が細かい所まで決まっており、順守されることを前提としたものである(法治主義)のに対して、中国の法律は、大雑把に規定されており、役人の裁量が認められている(人治主義)ことです。近年ずいぶん改善がみられるものの、この人治主義が賄賂の温床になっていると言われてきています。


国が大きすぎて、なかなか統一の規定を作りにくいというところもあるのでしょう。

中国人には「守らなかった場合のペナルティと、守った場合のデメリットを天秤にかけ、法律を守るかどうか決める」傾向がある、と言われますが、このような傾向は中国に限らず、多くの国でもみられるものです。そのような意味においても日本の感覚ののみでは理解しがたく感じられるのでしょう。