ルールってなんだ? : フロンガスとデュポン社の話



覚えているでしょうか。


「フロンガスは素晴らしい技術だ」

と言いつつ、フロンガスをヘアスプレーなどにも使っていた我々。


「フロンガスがオゾン層を破壊している。」との衝撃的な報告を受け、

徐々にフロンガスは日常生活から姿を消していきました。


この理由は、モントリオール議定書によって、

1989年以降、世界から、フロンガスを使った製品が国際的に規制されたことによります。



この裏で、どういうことがあったのでしょう。



実は、フロンガスの危険性は、1970年代から指摘されていました。

フロンガスの特許を持つ、デュポン社を含めた会社は、規制に反対していました。


しかし、デュポン社は、フロンガス反対の声が社会に大きくなるにつれ、

社内でフロンガスの代替品の技術開発に投資し、成功しました。


それを持って、NGOとのロビー活動で、1987年に、フロンガス規制を国際ルール化、ルールは1989年に執行されることとなったのです。

これによる、フロンガス代替品の需要急増に応え、デュポンは莫大な利益を上げたと言われています。



皆さん、デュポン社は、ずるい、と思いますか?

でも、もし、デュポン社がリーダーシップをとっていなかったら、世界はどうなっていたでしょう。



企業は、社会にとっては良いが、自社には不利益な規制導入の動きに直面することもあるでしょう。


その際に既得権益層として反対することもできますが、それは、社会の要請に基づいて、

その規制が自社にとっても利益となるような投資、技術開発を進め、業績を拡大するチャンスでもあるのです。


当時のデュポン社も、一人一人は、売り上げ目標などの達成に向けたミッションが課されていたでしょう。それでも、大きな目で、世の中の流れを考えることができたから、新技術の投資、ロビー活動への投資を決定し、結果的に社会に貢献しつつ、売り上げも伸ばせたのではないかと思います。


我々も、日々の仕事をこなす中でも、大きな視点を失わないことで、仕事を通じて、良い社会に貢献していきたいものですね。


※モントリオール議定書は、2016年10月にキガリ改正と呼ばれるバージョンアップが行われました。当初フロンの代替物として使われていたHFCが、まだ温暖化に繋がるということで、HFCの利用を段階的に削減することを義務化し、ノンフロン冷媒への転換を急いでいる状況です。これにより、今世紀末までの平均気温上昇が、約0.5度分抑えられると推計されています。



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