ESG投資(および気候変動関連情報開示)

「ESG投資」が注目を集めています。

 

「持続可能な社会に向けた経営方針や戦略を持ち、Environment、Social、Governance の課題にしっかり対処している組織への投資」がESG投資です。こうしたより社会的責任を意識した企業等への投資は、金融危機や不況時でも成績が安定していることも知られ、コロナ禍においてもその投資額は急速に伸長しています。

ESG投資の歴史を紐解くと、2000年に改正されたイギリスの年金法にその端緒がみられます。改正年金法では年金運用に際し、環境や社会へ配慮した投資方針であるかを開示することが求められ、2002年に公示されたロンドン原則で、持続可能性に向けた投資の7原則が持ち出されたことが、ESG投資の具体的な行動指針となりました。


そして国連が、2006年に機関投資家に対して、社会的責任を求める責任投資原則(PRI)を宣言すると、ESG投資はグローバル化していきました。

投資家側が、責任をもって投資を行うためには、投資を受ける側の情報開示が大切になってきます。環境や社会、ガバナンスにどれほど配慮した活動をしているのか、客観的な指標となるデータが必要になってきました。

 

企業の情報開示の転換点となったのは、2008年の金融危機です。脆弱な企業ガバナンスが株主利益に与え得る悪影響が注目され、組織の価値創造の在り方や持続的投資を可能にする会計の基準の必要性が叫ばれました。2010年に国際統合報告評議会(IIRC)が発足し、財務情報に加えて、社会貢献や環境対策などの非財務情報も一つにまとめた「国際統合報告フレームワーク」が2013年に発表されると、各国の企業はそれに従った「統合報告書」を提示するようになってきました。

さらにその後、2015年のパリ協定(気候変動枠組条約)が多くの国で批准されると、気候変動リスクに関する注目度が高まり、金融セクターが、投資先の気候変動関連のリスク管理についての透明性を求めるようになりました。そしてG20からの要請で、金融安定理事会(FSB)が中心となり気候関連情報の標準的枠組みが模索されるようになっていきます。2017年に組成された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)によって、気候変動によるリスクと機会の財務的影響の可視化手法が示されると、EU、イギリス、カナダ、フランス、中国、アメリカ、日本などの情報開示の仕組みは、次第にTCFDの提言に沿ったものへと収斂しはじめていきました。そして現在、ESG投資の指標は、国際的な標準化の道を模索する過程にあります。

ところでこのTCFDの提言には、低炭素社会への「移行リスク」として、政策・法規制の変更を挙げています。気候変動の悪影響の一因となりうる活動の規制や、気候変動の適応を促進しようとする政策などの導入への対応は、そのまま企業活動に影響を与えるため、このリスクの低減のためにも企業は政策・法規制の情報を遅滞なく収集することが必要となります。

気候関連リスクへの管理においてTCFDは、「組織は、気候変動に関連した既存および新たな規制上の要件(例:温室効果ガス排出量の制限など)やその他の考え得る関連要因を考慮しているかどうかを説明する必要がある」としており、「組織が管理職または委員会に対し、気候関連の責任を付与しているか」というガバナンスについても開示を推奨しています。

RuleWatcherPRORuleWatcher Enterpriseは、ガバナンスとリスク管理に関する情報開示を迫られる企業にとって、極めて重要となる気候関連の法規制兆し情報をご提供いたします。

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